祝祭広場
2019
●- landscape
人々は何かを祝う時、ごく簡単な手続きで空間を切り替えます。部屋の灯りを消し誕生日を祝ったり、床にレッドカーペットを敷き新郎新婦を迎えたり、原っぱに四本の竹を刺し工事の着工を祝ったり。
空間の “切り替え可能性/ replaceable” は、「祝祭広場」の重要な属性の一つです。
人は他者と共感したい時、それが叶う場所に集まります。一方で、他者と交わることで予測できない出会いに遭遇します。その期待感や心地よさのために、人々は《集い》を求めます。
空間の “予測不可能性/unpredictable” は、「祝祭広場」の重要な属性の一つです。
私たちは、緑の少ない大分市中心部に木陰のある広場、気ままに一人で過ごせる広場を提供します。
「祝祭広場」は、まち巡りの起点として大分の中心市街地に “彷徨性/divagation” をもたらします。「祝祭広場」には、美しい雑木林とWi-Fi環境、無料で使える電源が用意されています。木々や草花の息づかいに包まれ、しばし時間と空間を超え《憩う》ことができます。
《憩い》による安堵感は、自分を超える大きな存在に身を委ねることで得られます。都市に身を委ね、 さしたる目的もないままにさまよい歩くことを楽しめたなら、大分のまちの魅力は倍増します。
セドリック・プライス「ファンパレス」、アーキグラム「インスタントシティ」、その奔放な自由さ。
日本の暦にある式日の多くは、社寺の境内で執り行われてきました。そこは、何もない空無な空間です。統治権力も及ばない、身分の差もなく誰もが自由に交歓、交易することができました。
「祝祭広場」を現代都市の《境内》と捉えます。《祝い》のための “自由領域/asylum” です。
昭和39年(1964)新産業都市となって以降、戦後の大分を支えた臨海工業地帯。その搬送装置が立ち並ぶ光景を異化(いか)効果を狙い、このまちなかの「祝祭広場」に移します。
まちの新たな活力と交流のための装置としてのガントリークレーン。それは、神社の境内で言えば鳥居や狛犬のようなものです。
(以上プレゼンシートより)
日本産業デザイン振興会グッドデザイン賞 2020 受賞
所在地 | 大分市 |
用途 | 広場 |
構造 | - |
規模 | - |
敷地面積 | 4304.43平米 |
建築面積 | - |
延床面積 | - |
建築設計 | aat+ヨコミゾマコト建築設計事務所 |
構造設計 | arup japan |
設備設計 | arup japan |
照明計画 | - |
音響設計 | - |
外構計画 | 建設コンサルタントサニー、ヒュマス、都市企画工房 |
サイン計画 | - |
内装設計 | - |
施工 | - |
設計期間 | - |
施工期間 | - |
その他 | - |